雑文集

徒然ってる

「月と六ペンス」

絵を描いているときは月に行きたいし、

たまにあと30センチくらい、もう月(夢の世界、理想とする場所)行けるのでは射程距離にはいったのでは、という翌日には足元六ペンス(現実の世界)に引き戻されていた、勘違いではなくとも心綺楼だったとほほ、

 

自分が無から(当たり前か)絵を描くことを世の中に必要とされずとも、

寧ろそのような世間からの評価(六ペンス)は眼中にないものとして命が続く限り永遠に魂を注ぐ。

月を見ることすら本当はむずかしい、時代のせいにはできないし、

 

私が好きなロケンロー達のインタビューを読むと、皆口を揃えて「会社勤めできるタイプではない」といった意味の事を言う。

確かにラジオや雑誌、各媒体での発言からしてもそうなのだろうな、と思う。月にちかいかんじして良いな、と思う。

 

私は制服を着てお茶くみOL等はできないけど(せめての反抗)会社勤めはできる。

というか全然できる。嫌だしひとつも楽しくないけど、実際現在私は絵だけでご飯が食べられないので会社員である(自分がイラストレーターであるというブランディング要素全無視)

それでもかっこつけてセカンジョブ(気持ちの上ではそうだけど)が会社員と言いたいところだけど、昼間の仕事で生活費を払っているので嘘は書けない。嘘ついていいのはケント紙の上だけだし、

 

私の中の悪魔が「会社勤めできるタイプではない」じゃなくて本当は「会社勤めはしたくない」なのではという想像がよぎる。

月に近づくため毎日毎時間、絵だけに心血を注ぐ⇒生活は絵が売れなければ即破綻、

六ペンスの為に労働し賽の河原よろしくまた月から遠ざる。

月に近づくためには他人の評価は不要なので売れなくてもいいというスタンスで絵に集中⇒生活即破綻⇒六ペンスの為に労働、

生きることは本当に矛盾しかないし、

 

せめてもの救いは紙の上で嘘ばかりついていても描いている間だけは月のことしか考えていないこと。それが無ければ絵なんていちまいも描けないよ、それだけは本当。