雑文集

徒然ってる

GENKYO

買い物、選んでいる時と手に入れた瞬間が楽しくて
持って帰ると最初の高揚はもう無い。

ご飯、胃の位置を感じられる空腹さを持った最初の一口、
満腹になった後に飲むコーヒーの退屈さ。

絵は最初から最後まで、ゆりかごから墓場まで楽しい地獄で終わらない。
お腹いっぱい夢いっぱいでは絵は描けないので空腹でいる必要がある。
退屈とお腹いっぱいはよく似ていてエレガントさの対極にあるもの。

せめて飢えたまま退屈でいたいけれど、
では高揚感や刺激的な事物はエレガントかというとそれも馬鹿みたい。

 

いつも食べたいものが無い。うっかりどうでも良いものでお腹を満たしたり。
そろそろ仙豆のようなものが開発されても良いのでは無いのん?

 

横尾忠則の展示に行ってから魂がほとんど抜けている。
どのコーナーも立ちつくしてしまう絵が多くあった。始めの方にあった「デイナーパーティーの会話」という絵で随分立ち止まって、
今から大量に作品を見るというのに全部見たらもう絵を描けなくなる気がした。
何処までが自分なのか、自我、個体としての自分の概念を忘れた癖にあるのは視覚と脳と手だけでアミービックなあの時間、絵を描いている時のそれと同じ。

 

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お酒を飲みたいけれど怖くて飲めないまま数カ月たち、お肉も数カ月前から理由もなく食べられない。
素面で正気を保つのは正気の沙汰で無い、南無三終わりんちょ